HudsonとOracleのゴタゴタに関する報告

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HudsonとOracleのゴタゴタに関する報告

Kohsuke Kawaguchi
Administrator
ご存知の方もおられるかもしれませんが、先だって、HudsonプロジェクトとOracleの間で若干の揉め事がありました。遅れてしまいましたが、こ
の場でも報告をさせてください。

11/22月曜日、Hudsonのソースコードリポジトリが突然書き込み不能になりました。調べた結果、Hudsonはこの週に旧java.netから
新java.netへ移行されるためにロックされたことがわかりました。残念な事に、この事態に対する事前の通告は3日前の金曜日に僕とOracleの
Winston Prakashという技術者に一度行われたのみで、コミュニティはロックダウンに備えることができませんでした。

Oracleの移行作業の担当者にメールを書いたところ、移行作業に必要な時間がどれほど掛かるかはわからないし、Hudsonを外すこともできない、
という答えでした。これを受けて、コミュニティの中心メンバーで、メーリングリストをGoogle Groupに移し、ソースコードリポジトリを
GitHubに移動する作業が始まりました。この辺りの詳細なタイムラインは[1]に詳しく書かれています。

GitHubへの移行が行われる予定の前日になって、Oracleの上級副社長Ted Farrelが、Hudsonの商標権はOracleが所有して
いるので、Oracleの許可なしに勝手にソースコードをGitHubへ移動することは許さない、という旨のメールを投稿しました。また、これとは別な
メールで、Hudsonプロジェクトのインフラに関する決定権はOracleにある、という旨の書き込みもありました。

オープンソースコミュニティの特徴の一つに、貢献の度合いに応じて発言権が決まる「meritocracy」という考え方があります。我々には商標権が
あるんだ、我々がプロジェクトを所有しているのだ、というTed Farrelのメールは、meritocracyの考え方とは相容れないものです。こ
のため、開発者コミュニティは、Oracleが外野からプロジェクトに命令しようとしている、と受け止められ、大きな反発が起こりました。

OpenOffice, OpenSolarisなど、Sunから引き継いだオープンソースプロジェクトでOracleは色々なトラブルを引き起こして
いる事もあり、これを受けて、ニュースサイトやTwitter上では、「フォークすべき」という論調が広がりました。またThe Server
SideやThe Registerといったニュースサイトなどの調べにより、これらの事件に先立つ10月末にOracleはHudsonの商標登録を
始めており、この時点ではまだ登録商標を持っていないこともわかりました。

この思わぬ反発を受けて、Oracleの態度も若干軟化したため、開発者コミュニティの中心メンバーとOracleの間で、現在話し合いが持たれていま
す。商標権については勿論の事、プロジェクトの意志決定の所在をより明確にしたり、という事も話し合われています。GitHubへの移行は開発者コミュ
ニティの総意のとおりに行われることになりましたし、メーリングリストも投票が行われ、Google Groupsに留まることが決まりました。議論の
細かい内容はOracleの要請により現在は公開できない事をお詫びしなくてはなりませんが、一定の合意が得られた後は、勿論詳細な内容を公表するつも
りです。


個人的には、Oracleがこうした行動に出たのを大変残念に思いますし、実際この行動がOracleにとってどのようなメリットがあるのか理解に苦し
んでいます。名前を変えることで、将来二度とこのような事態が起こらないようにする、というのも魅力的に思えるときもあります。

一方、フォークに伴う混乱はプロジェクトにとってはマイナスですし、ユーザーの皆さんの事を考えると、プロジェクトの自治をOracleに尊重させ、商
標権を濫用できないような枠組みをきちんと作った上で、HudsonをHudsonのまま残す方法を模索するのが、プロジェクトリードとしての責任なの
ではないか、とも思います。

こうした考えもあって、プロジェクトの中心メンバと話し合いながら、現在Oracleとの話し合いを続けています。話し合いは前進を続けており、近いう
ちに「こういう枠組みを作ったから、Hudsonという名前を使いつづけても大丈夫だと思う」というような形の報告をして、より広範なコミュニティの総
意を確認する、という発表ができると思います。

合意が得られるにせよ、万が一話し合いが破綻するにせよ、何かの名前の下でHudsonのコードベースの開発が続けられるという点についてはお約束でき
ます。なので、ユーザーの皆さんは安心してHudsonを使って欲しいと思います。また、日本からHudsonの開発に参加している皆さんは、今後イン
フラのGitHub以降に伴って若干の混乱があると思いますが、わからない点があればぜひ聞いてください。現時点ではcoreは既にGitHub
[2]へ移動し、プラグインは移動準備中です。また、java.netの変更に伴って、プラグインをリリースするためには若干の作業[3]が必要で
す。

以上、簡単ですが中間報告とさせてください。


[1] http://www.hudson-labs.org/content/whos-driving-thing
[2] http://github.com/hudson/hudson
[3] http://hudson.361315.n4.nabble.com/Plugin-Parent-POM-updates-for-releasing-plugins-td3075076.html